最終年度となる平成29年度では、本研究を通じて構築した計測システムの検証および性能評価を中心に行った。 気泡流の計測に関してラグランジュ的な処理を考案し、その計測結果を同時計測した画像処理結果と比較することで、実際の計測精度について評価を行った。また、超音波流速分布計において懸念であった計測範囲についても、定量的な計測を行った。これらの知見を基に、本研究で目指す計測システムの性能が計測トランスデューサの設計を主として決定される事が分かった。 また、プロペラ近傍の気泡挙動を実験流路にて行った実験で計測・評価し、気泡挙動と負荷変動の相関関係を明らかにした。負荷変動の検知ではプロペラ駆動系モータの出力信号を時間領域で処理することで、動的な変動を抽出することに成功した。また、画像処理においても計測体系に由来する変動成分と現象由来の成分を周波数領域で分離することに成功した。また、その上で実験船を用いた計測を行う事により、実船環境特有の課題を提示した。
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