研究課題
国民の健康寿命の延伸を図ることを目的とし、これまでに多くの大規模臨床研究が行われてきたが、一般的に大規模臨床研究では、①膨大なコスト、②多くの労力、③被験者の協力、が不可欠であることがしばしば問題となる。その点医療ビックデータベースでは、①既存のデータが使用可能、②大規模臨床研究で必要なコストや労力を必要としない、③長期間に渡り蓄積された数万-数十万単位のデータが使用可能、④経時的なイベント増加の想定、といった利点をもつ。そこで、本研究では巨大診療報酬請求(レセプト)データベースを作成し、網羅的な分析から、高血圧・糖尿病・脂質異常症をはじめとした生活習慣病と大血管合併症、細小血管合併症の関連を検討し、各疾患の発症に関連する危険因子を同定することを目的とした。研究計画に基づき、レセプトから得られる詳細な情報を用い、10-20万人単位で使用可能な巨大データベースを構築した。そのデータベースを用い、勤労世代男性における冠動脈疾患への耐糖能の影響を検討した。その結果、30代の虚血性心疾患における糖尿病の影響の大きさを示し、国際誌掲載論文や国際学会発表などを通じ、30代の糖尿病治療の重要性を示した。また、その他の糖尿病合併症に関するデータベースを構築し、診療内容を詳細に検討することで、糖尿病に限ることなく、その他の生活習慣病に研究範囲を広げ、各重症疾患発症に関連する危険因子の検討を開始した。
2: おおむね順調に進展している
10-20万人単位で使用可能な診療報酬請求(レセプト)データベースは完成しており、国内・国外学会で研究成果を報告し、論文発表に至っている。作成したデータベースを基に、糖尿病に限ることなく、その他の生活習慣病に研究範囲を拡大し、各重症疾患発症に関連するの危険因子の検討を行う予定である。
上記のとおり、これまでは研究計画通りに進行しており、一定の成果を上げることができた。最終年度は、糖尿病に限ることなく、その他の生活習慣病に研究範囲を広げ、各重症疾患発症に関連するの危険因子の検討を行うことで、健康寿命の短縮につながる危険因子を明らかとし、日本国民の健康寿命延伸と生活の質向上に貢献する礎となる数多くの結果を創出し、さらに一般の人にもわかりやすい形にして公開する予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
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