筆者は口唇口蓋裂患児において自身の羊膜をその治療に応用することを検討している。本研究は健常児由来の羊膜をコントロールとし、口唇口蓋裂患児の羊膜の性質に相違がない(少ない)ことの確認を目的とした。本研究期間内では、患児由来の羊膜は一個体分のみ入手可能であった。同時期に採取した健常児由来羊膜とともに、形態学的観察を行ったが相違点はなかった。また羊膜に乾燥処理を施し、ハイパードライ羊膜の作成を行い、物理的・生物学的性質の比較を行った。引っ張り試験における差も認めないと考えられるが、検体数不足のため統計学的処理には至っていない。今後検体数を確保しながら、物性試験・生理活性試験を継続する予定である。
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