脂肪組織由来間葉系幹細胞ADRCは、重症心臓血管病への新規治療として注目されているが、患者感で効果がばらつくことが問題点である。我々は、20名程度の心臓血管病を有する症例からADRCを分離し、その血管新生能について検討を行った。患者由来ADRCはインスリン抵抗性-脂肪慢性炎症-CD271陽性サブセットの減少、という大まかな流れの中で劣化するという知見を得た。同定されたCD271陽性ADRCは、ADRC自体の増殖能・増殖因子発現量・移植モデルにおける足壊疽治療効果能と有意に相関しており、幹細胞治療の効果に大きな影響を与えるサブセットと考え、解析を進めている。
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