本研究の目的は,72時間以内での迅速架橋を目的としたシザーズ型緊急橋を対象に,その動的特性を解明し,さらには,被災現場における余震などを想定した激しい揺れに対する耐震性を分析することにある。固有値解析では,シザーズ橋の固有モードは,伸縮方向の挙動が顕著であるものの,概ね梁と似た傾向を示した。また地震下では,架橋時の根本部材のピボット近傍において高い曲げ応力が生じていることが分かった。今回のパラメトリック解析の範囲内では,最大曲げ応力は,静的解析と比べ約3倍の値を示した。言い換えると,地震下での主部材の安全率を考えると3倍以上の値が必要になると言える。
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