研究課題/領域番号 |
16H06845
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
河村 真吾 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (30456511)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 腱細胞 / 腱鞘滑膜細胞 / Scx / Tppp3 |
研究実績の概要 |
1) 腱の恒常性維持機構を利用した新規腱疾患治療薬のスクリーニング 2) 腱再生医療実現のための腱修復細胞の同定 研究者は研究協力施設(京都大学iPS細胞研究所)で作製した遺伝子改変マウス(Scx-EGFP,Tppp3-EGFP, Scx-CreERT2,Tppp3-CreERT2)を岐阜大学へ搬入、クリーンナップを行った。Scx-CreERT2およびScx-EGFPマウスはヘテロでしか生まれてこず、ホモは胚性致死であることが予想された。過去の文献から、薬剤選択カセットの残存が近傍遺伝子(Bop1)の発現に影響を与える可能性が示唆されていたため、Dresden University (Dr. Konstantinos Anastassiadis)よりTg(CAG-dre)1Afstマウス(Dis Model Mech 2009)を入手し、薬剤選択カセットを除去した。さらに、C57BL/6マウスと交配することで、CAG-dre alleleを除去し、Scx-EGFP、Scx-CreERT2(drug selection cassette(-))マウスを作製した。 1)においては、解析に使用を予定しているScx-EGFPマウスが近々得られる予定である。 2)においては、Tppp3-CreERT2とRosa-LacZレポーターマウス(R26R)を交配し、タモキシフェンを投与することで、腱鞘滑膜細胞に特異的な遺伝子組換えを確認できた。また、Scx-CreERT2においては、近日同様の実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Scx-EGFP,Tppp3-EGFP, Scx-CreERT2,Tppp3-CreERT2の4ラインを本学へ搬入したが、すべてにおいてクリーンナップを要することとなり、実験計画に2ヶ月程度の遅れが生じた。 また、Scx-CreERT2およびScx-EGFPマウスの薬剤選択カセット除去のため、Dresden University (Dr. Konstantinos Anastassiadis)よりTg(CAG-dre)1Afstマウス(Dis Model Mech 2009)を入手したこと、また薬剤選択カセット除去およびCAG-dre alleleの除去のために2回の継代を要した。
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今後の研究の推進方策 |
1) 腱の恒常性維持機構を利用した新規腱疾患治療薬のスクリーニング 野生型マウスにおいて、腱へのメカニカルストレスを変化させることでScx発現が変化することを確認しており、同様の実験をScx-EGFPマウスを用いて行う。Scx-EGFPマウスより腱細胞を採取し、in vitroにてEGFP発現に影響を与える薬剤をスクリーニングする。 2) 腱再生医療実現のための腱修復細胞の同定 Scx-CreERT2/R26R、Tppp3-CreERT2/R26Rマウスにおいて、腱損傷前にタモキシフェンを投与し、Scx陽性細胞、Tppp3陽性細胞をラベルする。腱損傷を加え、組織修復細胞の起源を同定する。
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