配位数変化に伴うホウ素の置換基効果の転換を実証するため、ホウ素置換基を有するラジカルおよびその前駆体を合成し、その検証を行った。その結果、ルイス酸とルイス塩基間で一電子移動反応が進行し、ラジカルイオン対を形成することを発見した。当初の計画に光照射という条件が加わったものの、この成果はルイス塩基の添加によりホウ素ラジカルの発生を制御することができたと言える。この成果により、限定的な例しかなかったルイス酸・塩基間の一電子移動反応に対しての構造的制約が一気に取り払われ、この分野の研究が一気に加速する可能性を開くことが出来た。実際に我々はその一例として、ボランの光触媒としての新たな機能を見出した。
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