本研究では、カチオン重合における多重構造制御を目的とし、可逆的連鎖移動機構に基づく分子量制御に、他の方法による構造制御を組み合わせることで、高分子構造の同時制御可能な新規重合系の開発を検討した。可逆的連鎖移動に基づくカチオン重合に、嵩高いモノマーあるいは嵩高い対アニオンを用いた立体特異性カチオン重合を組み合わせることで、分子量と立体構造の同時制御可能な立体特異性リビングカチオン重合が、不斉カチオン重合と組み合わせることで、不斉リビングカチオン重合がそれぞれ可能であることを見出した。さらに、ラジカルRAFT重合と組み合わせることで、これらの組み合わせに特徴的な星型高分子の合成手法を確立した。
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