本研究に用いた母性免疫活性化(MIA)モデルマウスについて我々はすでに経母体的分子状水素(H2)投与が胎児期の脳酸化ストレス障害および神経炎症を減弱させることを実証している。本研究ではH2投与による児の長期予後改善効果を検討すべく、生後3-4週齢で行動実験を、5週齢でアストロサイト活性、ニューロンおよびオリゴデンドロサイト数を解析した。MIAモデルマウス出生仔では扁桃体および皮質でニューロンおよびオリゴデンドロサイトが減少、アストロサイトの活性化、短期記憶および社会性の障害を認めた。 H2はこれら異常に対して減弱効果を示した。H2投与が神経保護効果を発揮し長期予後改善に貢献することを示した。
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