アルコール肝炎マウスモデルを使った実験により、アルコール摂取により障害を受けた肝細胞は小さな粒子を放出すること、さらにこの粒子は障害肝細胞の細胞成分を含有していることが分かった。この粒子の生物活性を調べるために、マウスの肝内マクロファージを分離し粒子を添加したところ、粒子はマクロファージに取り込まれ、さらにマクロファージが活性化(炎症に寄与)することが分かった。この結果は、障害肝細胞由来の粒子が「細胞間伝達物質」としてアルコール性肝障害の病態進行に寄与していることを意味している。将来的には、粒子成分を阻害することでマクロファージ活性を阻止する治療法の開発を行う予定である。
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