同種造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(Graft vs Host Disease, GVHD)は、移植医療における重要な課題である。特に慢性GVHDは、臓器・組織線維化から生活の質を低下させる。本研究では、組織線維化に関与する筋線維芽細胞の前駆細胞となる線維細胞に着目しこの病態解明を行った。GVHDモデルマウスを用いた検討では、移植後2週の早期において、活性化単球の末梢血中への出現を認め、また、ヒト臨床検体を用いた検討でも、移植後day 30の早期において、末梢血中に同様の活性化単球の出現を認めた。こうした細胞は、比較的長期において末梢血中から検出され、免疫細胞と関連することが考えられた。
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