研究実績の概要 |
まず、HPF-4がHIF-1を活性化するメカニズムとして、HIF-1αのタンパク量への影響をウエスタンブロッティングで検討した。HPF-4の過剰発現によってHIF-1αのタンパク量は変化しなかった。次に、HPF-4がHIF-1αのtransactivation 活性に影響を及ぼすかどうかを検討するためにGal4DBDにHIF-1αの転写活性部の様々なdeletion mutant を連結させた融合タンパクを作成し、E1b Luciferase を用いてHIF-1の転写活性を発光量で検出することができるシステムを作成し、検証したところ、HIF-1αの二か所の transactivation domain についてHPF-4が活性の上昇をもたらすことが確認できた。また、共免疫沈降法で、HPF-4とHIF-1αのinteraction があることを示唆する結果を得た。
次に、HPF-4の活性部位の同定を行うために、各ドメインのdeletion mutant 等を用いて上述の活性化の有無を調べたところ、5つあるドメイン中、3つのドメインを除去したmutant では活性が失われることが分かった。
さらに、p53 がどのレベルでHPF-4の活性を抑制するかをメカニズムの異なるp53 の変異タンパクを用いて検証した。p53の変異体のうち、立体構造の異なるもの(R175H)、立体構造は同一であるがDNAへの結合能を持たないもの(R248W)、DNAへの結合はあるが転写活性を持たない4アミノ酸置換の変異体(Cell 145, 571:2011)のいずれもHPF-4の抑制能力を持たなかったことから、p53の直接のinteraction というよりは、下流遺伝子が関与していることが考えられた。
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