研究課題
近年、急性心筋梗塞に対するカテーテル治療等の急性期治療が発展し、心筋梗塞による直接の死亡が減少しているが、その結果として慢性期に心不全を発症する患者が増加している。代償期から非代償期に以降する心不全の病態解明および新規治療法の開発が重要である。一方、タンパクに翻訳されないマイクロRNA(microRNA; miR)は、主に20~24 塩基の短いRNAであり、他の遺伝子の発現を調節している。我々の注目するmiR-33は善玉コレステロールであるHDL-Cを低下させ、動脈硬化に関わることがこれまでに分かっており、動脈硬化治療の標的となる可能性がある。今回、このmiR-33が心不全においても役割を果たしていることが明らかとなった。圧負荷マウスモデルを用いて調べたところ、心臓においてはmiR-33は心筋細胞よりも線維芽細胞で優位に働いており、心臓線維化に関っていた。結果は、動脈硬化と心不全の共通した病態の機序の解明や治療法の開発に繋がるものである。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Circulation Research
巻: 120 ページ: 835~847
10.1161/CIRCRESAHA.116.309528