脱細胞化肝臓スキャフォールドに肝細胞癌の細胞株を生着させて癌細胞としての特性解析を行ったところ、正常肝由来の脱細胞化スキャフォールドでの培養に比べて、上皮間葉転換に関するシグナルが活性化されていることが示され、さらにそのメカニズムとしてFAKシグナルが活性化されていることが示された。つまり、硬変肝における細胞外基質には、癌細胞に対して上皮間葉転換を起こしやすい環境を提供している可能性が示された。以上より、癌細胞が存在する組織において、細胞外基質の硬さや構成要素が細胞の悪性度や転移能に影響を与えることを示した。
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