原発性肝癌は主に肝細胞癌と胆管細胞癌に大分されるが、肝細胞癌と胆管細胞癌両者の性質を併せ持つ混合型肝癌は予後が不良である。正常肝組織の肝細胞と胆管細胞は肝前駆細胞から発生することから、混合型肝癌は肝前駆細胞が癌化したものであるとの仮説を立てた。 この仮説を実証するために、肝前駆細胞が過度に自己増殖を行う遺伝子改変マウスを作成した。成体マウスの肝臓は、大量肝切除後には成熟肝細胞および肝前駆細胞の両者が増殖して失われた肝組織を再生するが、この遺伝子改変マウスは成熟肝細胞の自己増殖が阻害されている。 現在このマウスを用いて、肝切除時の肝再生様式の解析を行っているところである。
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