本研究では、酢酸セルロース基材にセルロースナノファイバーを補強材として混合することで、高透水性かつ高強度を両立した新規水処理膜を作製することを目的とした。膜強度と透水量の増加を両立させるためには、疎水性である酢酸セルロース基材中において親水性のセルロースナノファイバーが十分に分散することが必須である。そのため、セルロースナノファイバーの表面改質に着目し、膜性能との関係を検討することで複合膜作製の基盤技術の確立を目指した。これらの検討の結果、セルロースナノファイバーの表面構造を制御することで、優れた膜特性を有する複合膜を作製することができた。
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