研究課題/領域番号 |
16H06916
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
下野 昌宣 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30552137)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 神経 / 脳 / ネットワーク / マルチスケール / グラフ / 因果性 / 局所回路 / 領域間相互作用 |
研究実績の概要 |
本研究活動スタート支援は、申請者が挑戦的研究(萌芽)へと以降するに当たり、途中での休止となった。本予算であるH29年度繰越金は、H29年度内で発表しきれなかった内容を公表する学会参加の旅費を主目的としていた。実際、H30年に大阪大学の学生とともに、欧州でのOrganization of Computational Neuroscience学会での2件のポスター発表、そして日本神経科学学会での2件のオーラル発表(オーラル採択は審査付き)を行った(業績[Nakamura,Shimono,2018]など)。それらで発表した内容は2点である;[1]脳広域での神経活動の伝搬が直接的経路と間接的経路を用いるバランスを定量的に評価するとともに、その代表的な伝搬速度を推定した。[2]蛍光計測から得られた局所的な多神経細胞活動の因果的な相互作用ネットワークを再構成するとともに、その局所領域間をつなぐ広域的な投射の様相を対比したものである。両者は、ミクロとマクロを最短距離でつなぐ着想での研究であり、挑戦的萌芽研究へと継続される研究基盤の生成に寄与した。前者の研究成果は、本予算の時点でBioAxivでの公開を行った。 --------------------------------------------------------------- [Links] https://www.biorxiv.org/content/early/2017/03/17/117713 http://www.jnss.org/abstract/neuro2017/meeting_planner/sessionlist.php?st_usid=3O-10m2&u=5d569583ab992965caa3017fc5f21a9e&yztt=282
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学会発表という繰越額の使用の主名目との合致している。 その枠においても、成果発表内容のサイエンスとしての価値は、口頭発表採択されるなど評価を受けており、かつ論文発表の成果も得られているため、総合的に円滑に研究活動が促進されていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本予算に関しては、主に大阪大学において消化されたが、申請者は、2017年の終盤より京都大学医学研究科へと異動した。京都では生理実験を行う環境の整備を着実に進めていっており、新規な着想を具現化した実験系を確立しつつある。そこで、自らのラボで得られるビックデータを元に、神経系の動的なネットワークアーキテクチャの解明を進めて、より精度の高いモデリングが臨める研究基盤を確立することが、次に続くべきよい選択と考えられる。
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