本研究は、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズの哲学を自然哲学として提示し、その内実を明らかにすることを目的としている。前年度は、後期の著作である『千のプラトー』(1980)におけるイェルムスレウの言理学および地質学の議論の分析を中心に、ドゥルーズ=ガタリの自然哲学における非人間主義的特性を明らかにした。今年度は、前年度の研究結果を踏まえ、①ドゥルーズの自然哲学に対する哲学史的影響、および、②その自然哲学がいかに現代の人文科学に継承されたのかを明らかにすることで、とりわけ英米圏の人文科学に対するドゥルーズおよびガタリの自然哲学の理論的影響を特定する作業を進めた。
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