研究課題/領域番号 |
16H06927
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原 めぐみ 大阪大学, 未来戦略機構, 特任助教(常勤) (90782574)
|
研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
|
キーワード | 国際社会学 / 子ども移民 / 移民研究 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、国境を越えて移動する子どもたちのホスト国における政治的・社会的・文化的実践を国際社会学の包括的視点から考察し、移民の生活世界への理解を深めるとともに移住者の現実に即した移民政策への還元を行うことであった。この目的を達成するために、以下の3点のことを行なった。 1. 理論的枠組みの検討:本研究に必要な文献を収集し、理論的枠組みを検討した。移民研究関連の書籍、論文、NGO/NPOの刊行物等から分析を行なった。このことにより最新の研究動向を知ることができ、自身の研究の方向性や調査法についても再検討することができた。 2.国内外での複数地フィールドワーク調査:近畿地方、関東首都圏、フィリピンのマニラ首都圏とセブ州にてフィールドワーク調査を行なった。国籍法改正によって日本国籍を取得することができるようになった者が特にフィリピンで増えたが、フィリピンから来日した者、来日を検討している者へのインタビューを相互に行い、国籍や在留資格などの制度の狭間に置かれた子どもたちの政治的アイデンティティの複雑性と流動性について検討することができた。 3.学会、研究会等での発表:理論的検討とフィールドワークで得られた調査を積み重ね、国際学会、国内学会、研究会等で発表することができた。学術的な発表の場のみならず、実務家が集まる勉強会やワークショップなどでも本課題について発表する機会を得られた。移動する子どもたちに関する研究成果を、ミクロ・マクロレベルでの政策提言に還元することへの足がかりとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
10月からの執行だったため、時間が限られており、新たな調査参加者に協力を依頼する等の挑戦ができなかった。それゆえに予定していた人件費・謝金の支出ができなかった。しかし、これまでのネットワークを活かし、当事者主体のワークショップなどの形で情報・データ収集することができたので、研究の進捗に問題が生じているわけではない。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度も、理論との対話を重ねながらフィールドワークも継続したいと思っている。その上で、アウトプットを意識しながら、論文執筆や政策提言に向けた取りまとめ作業を行なっていく。
|