本研究の目的は、国境を越えて移動する子どもたちのホスト国における政治的・社会的・文化的実践を国際社会学の包括的視点から考察し、移民の生活世界への理解を深めるとともに移住者の現実に即した移民政策に還元することであった。特に改正国籍法施行後に来日したフィリピン出身の子どもたちを対象に、以下の三点に関して紐解いた。1)国籍や在留資格に係る政治的アイデンティティの諸問題。2)教育、労働、階層移動など移住先での社会化に伴う日常的実践。3)二つの国と家族に跨るトランスナショナルな文化的経験。研究結果を地方行政・国レベルの政策に還元するため、国内外での講演活動や関連するイベントに参加した。
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