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2016 年度 実績報告書

分散体群の自発的組織化とそれを用いた流れの制御

研究課題

研究課題/領域番号 16H06936
研究機関大阪大学

研究代表者

渡村 友昭  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40777736)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワード混相流 / 光学計測 / 蛍光
研究実績の概要

微細な気泡や粒子などの分散体が無数に存在するとき,分散体が流動場の中で自己選択的に粗密分布を形成し,その粗密分布が流動場に変形をもたらす.分散体のバルク体積率が1%以下でありその大きさも流れのスケールよりも小さい場合,個々の分散体が流れ場に与える影響は十分に小さいはずである.しかしながら,分散体が群をなす場合や壁面近傍で運動に拘束が生じる場合など,分散体が存在する影響が顕在化して流動場に変形が生じる.本年度は以下の計測対象系を用い,分散体の運動を調査した
【粒子群の沈降に伴う渦輪の生成】人工的に分散体の群を生成し,それが重力沈降する際に作り出す分散体の分布を調査した.駆動力である分散体数密度の大小により,分散体群が崩壊する場合と群構造が維持される場合に大別されることが分かった.
【傾斜壁面の影響】一様に分布した分散体が浮上あるいは沈降する際,壁面の傾斜によって壁面近傍の数密度分布が変化する.このとき粗密分布が形成され,密度差に駆動される容器規模の循環構造が発生する.その結果,何かしらの流体力学的不安定が誘起され,小規模な粗密分布構造が出現することが分かった.
【フォトブリーチング分子タグ法による非接触計測系の構築】分散体として粒子や気泡を含む流れ場において,流れ場を計測するためのトレーサ粒子はそれ自体が粒子として振る舞うことや,気液界面へ吸着することにより流れ場に影響を与えてしまう.分子レベルの蛍光マーカを利用した計測システムを構築中であり,次年度は本計測システムを利用した時空間流動場計測を実施する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年次計画に示した通り,計測手法の開発,実験系の構築が順調に進んでいる.代表者は現在までに得られた結果を国内の2学会で発表し,専門家との議論を通じて克服すべき問題点や結果の新規性を把握している.次年度に行う実験の具体的な内容も計画されており,概ね順調な進展であると判断する.

今後の研究の推進方策

当初の計画通り,本年度得られた実験結果を基に連続相の速度分布を計測する.分散体の運動は連続相の大規模構造によって影響を受けるが,連続相の運動は密度差を持つ分散体の運動が誘起した結果である.連続相の速度分布を把握することにより,分散体と連続相との双方向相互作用の解釈が進展する.画像による時空間計測システムの完成を優先的に実施し,群生成のきっかけとなる要因とその維持機構の理解を推し進める.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 散体対流の作り出す時空間数密度分布について2016

    • 著者名/発表者名
      渡村友昭
    • 学会等名
      日本機械学会 北海道支部 特別講演会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2016-12-09
    • 招待講演
  • [学会発表] 壁面近傍で出現する微細気泡濃度波の下降について2016

    • 著者名/発表者名
      渡村友昭,岩坪史弥,杉山和靖
    • 学会等名
      日本流体力学会 年会2016
    • 発表場所
      名古屋工業大学(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2016-09-27
  • [学会発表] 浮上する気泡群の数密度構造と液相の速度場構造の相互作用について2016

    • 著者名/発表者名
      渡村友昭
    • 学会等名
      日本機械学会 関西支部 第178研究会
    • 発表場所
      大阪市立大学サテライトキャンパス(大阪府大阪市)
    • 年月日
      2016-08-29
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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