カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)は、使用可能なほぼ全ての抗菌薬に対して耐性をもち、その蔓延が世界で大きな問題となっている。本研究ではタイおよびミャンマーにおいて優勢なカルバペネム耐性菌株の性状を明らかにすることを目的とした。これらの地域で採集されたCRE株においては、カルバペネム耐性を付与する遺伝子の一つであるNDM遺伝子が蔓延しており、おもにミャンマー由来株の解析の結果、NDM遺伝子を搭載する2つのタイプのプラスミドが優勢であった。これら2つのプラスミドは異なる伝播パターンを示し、それに関連して薬剤耐性やプラスミドの伝達性において異なる特徴を持つことを明らかにした。
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