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2016 年度 実績報告書

制御性T細胞の発生、分化および抑制機能における長鎖非翻訳RNAの役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H06947
研究機関大阪大学

研究代表者

市山 健司  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (60777960)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワード制御性T細胞 / Foxp3 / 長鎖非翻訳RNA
研究実績の概要

制御性T細胞(Treg)の免疫抑制機能を制御する新規長鎖非翻訳RNA(lncRNA)の同定およびその機能解明を目的として、TregにおけるlncRNAの発現を次世代シークエンサーを用いて網羅的に解析した。具体的には、我々が独自に作製したFoxp3-GFPレポーターマウスを用いてその脾臓およびリンパ節からCD3e+CD4+CD8-CD25+GFP+ (Treg)細胞、CD3e+CD4+CD8-CD25-GFP- (Tconv)細胞をそれぞれFACSソーティングで精製・回収した。その後、それぞれのサンプルからtotal RNAをカラムで抽出し、RNAライブラリーを作製後、次世代シークエンサーに供した。その結果、Treg特異的な新規lncRNAとして約100個の因子を選出・同定した。
lncRNAは転写因子のリクルートを介して標的遺伝子の発現を制御することが知られている。そこで、さらに機能的なlncRNAを絞り込むため、Tregのマスター遺伝子である転写因子Foxp3に結合するlncRNAの同定を次世代シークエンサーを用いたRIP-Sequencingを行うことで試みた。具体的には、Foxp3-GFPレポーターマウスの脾臓およびリンパ節からTregをFACSソーティングで精製・回収し、total RNAをカラムで抽出した。その後、抗IgG抗体もしくは抗Foxp3抗体で免疫沈降することでFoxp3に結合するRNAを回収し、RNAライブラリーを作製して次世代シークエンサーに供した。その結果、興味深いことに約20個の新規lncRNAを機能的なTreg特異的incRNAとして同定した。
これまでTregにおけるlncRNAの報告はほとんどなく、その役割に関しては未知であった。今回我々が新たに同定した新規lncRNAはTregで発現が高く、かつFoxp3に結合するものであるため、Tregにおいて重要な役割を担っている可能性は十分に考えられる。したがって、今後の機能解析によるさらなる進展が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで、計画書に記載した通り、次世代シークエンサーを用いた網羅的な解析により、Tregで特異的に発現し、かつ転写因子Foxp3と結合する新規lncRNAの選出・同定し成功している。また、CRISPR/Cas9システムを用いた遺伝子改変マウスの作製にも現在取り掛かっており、おおむね当初の計画通りに進んでいるため。

今後の研究の推進方策

今後も当初の計画通り研究を進めていく。具体的には、まずCRISPR/Cas9システムを用いて同定した新規lncRNAの遺伝子改変マウスの作製を行い、そのマウスを解析することで生理的意義を明らかにする。そしてマウス作製期間中は、レトロウイルスを用いた目的遺伝子の過剰発現や、shRNAを用いたノックダウン実験を行うことで、同定したlncRNAのTregに及ぼす機能およびその作用機序をin vitroで解析する。

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公開日: 2018-01-16  

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