本研究では、腎細胞癌患者の予後に寄与する有意な変化を示す候補miRNAの同定はできなかったが、淡明細胞型腎細胞癌(ccRCC)において、正常腎部位と比べ、腎細胞癌部位では顕著に高発現するmiR-122に着目することにより、公共データベースを用いた解析では腎細胞癌患者の予後と関連するmiR-122標的候補遺伝子の中から癌抑制的に働くと報告されているFilamin B遺伝子を同定した。腎細胞癌におけるFilamin Bの生理的役割は不明であることから、今後腎癌におけるmiR-122の機能解析ならびにFilamin Bの機能解析も行なっていく予定である。
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