本研究の目的は、申請者が独自に確立した糞便懸濁液(Cecal slurry, CS)を腹腔内投与する早産児マウス敗血症モデル作成技術を用いて、早産児敗血症における①部分的HO-1欠損の影響、②薬物的HO-1誘導の有効性を検証し、③その機序を解明することであった。 本研究の結果、早産児マウス敗血症モデルにおいて、ヘムを用いたHO-1誘導は敗血症重症度の改善に加え、炎症性サイトカイン発現を抑制する一方、HO-1誘導不全(HO-1ヘテロ欠損マウス)は早産児マウス敗血症モデルを重症化させることが明らかになった。以上より、予防的HO-1誘導により、これら感受性個体を救済できる可能性が示唆された。
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