• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

うつ病患者の家族の孤立を防ぐ看護支援モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 16H06976
研究機関神戸大学

研究代表者

廣田 美里  神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70595488)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワードうつ病 / 家族 / 看護支援
研究実績の概要

うつ病の治療原則は,休養である。そのため,患者と共に生活する家族は,必然的に患者の治療環境の一部となる。患者が十分に休養できるようにするためには,家族の理解と協力が必要不可欠である。しかし,家族にとっては,患者の発病や再発から受ける心理社会的影響はあまりに大きい。さらに,医療者は家族を支援するどころか,家族を患者の病状悪化の要因ととらえて,指導的にかかわり,家族を孤立させうる。うつ病患者の再発予防のためにも,家族の負担軽減のためにも,普及しやすい看護支援モデルを構築することが必要と考え,本研究を開始した。
本研究の目的は,うつ病患者の家族の孤立を防ぐため,家族の体験を“聴く”ことに重きをおいたアプローチによる看護支援プログラムを構築することである。
当該年度は,予め決定していた仮説と研究疑問を基に,研究デザインを設計することに時間をかけた。
うつ病患者の家族支援に関する実証的研究についてのレビュー作成を試みたところ,国内外の論文がほとんどヒットしなかった。家族心理教育に関しては,RCTによる研究が数本あり,システマティックレビューもあった。その他行動療法的研究などがいくつかあったが,目的が異なっていた。文献検討の結果から,世界的にうつ病患者の家族支援が進んでいない状況が推測された。
また,本研究の理論的パースペクティブを検討し,介入方法はナラティブ研究や非指示的面接,積極的傾聴等の理論を参照することとした。そして,アウトカムの概念モデルを作成し,測定する変数を検討した。過去のうつ病患者の家族支援の臨床試験を参考に,割り付け方法,盲検化,研究対象者の選定基準・除外基準,介入期間,調査期間,サンプルサイズを決定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では,平成28年12月までに,研究協力者を含めた多職種間で支援プログラムを決定し,平成29年3月までに研究対象者10名に介入を開始する予定であった。
実際には,平成29年2月に支援プログラムを決定し,3月に倫理審査会を経た。当初の計画よりも遂行が遅れた理由として,平成28年10~12月にエフォートがとれなかったことがある。また,支援プログラムを検討するなかで,量的な分析だけでなく,個別の面接内容の経時的変化に関する質的分析を加えた方がよいという,当初は想定していなかった助言を得た。混合研究法に関する専門的知識を有する者と質的分析の専門家からの意見を取り入れ,支援プログラムを再検討することが研究の遂行上不可欠であった。このため,当初計画より3か月延長することになった。

今後の研究の推進方策

今後,当初の計画より研究協力施設を増やして介入を開始する。平成29年5~6月頃より,介入群の研究対象者に介入を行い,介入と並行してデータの分析を行っていく。介入の効果の検証は,質問紙調査により得られたデータの統計解析にて行う。また,介入の効果を測る上で定量化できない質的なものも抽出できるよう質的分析も行う。本研究の中間評価を成果として,平成29年度内に,学会発表あるいは論文の形として公表する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] うつ病をもつ夫とともに生きる妻の体験 ─解釈学的アプローチによる─2016

    • 著者名/発表者名
      廣田美里,松葉祥一,橋本健志
    • 雑誌名

      日本看護研究学会雑誌

      巻: 39(2) ページ: 13-23

    • DOI

      10.15065/jjsnr.20151214002

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi