本研究の目的は,「スマートハウス内のユーザの気持ちを認識して,ユーザにとって快適な環境を提供してくれるスマートハウス制御システム」を実現することである. 本年度では,前年度に構築したスマートハウス内のセンサ値,および,家電の操作ログを収集可能な情報収集基盤に加えて,複数の角度から人のモーションを計測するシステムを,研究代表者が所属する研究機関の実験用住宅設備に新たに構築した. 上記の情報収集基盤を用いて,夏に実験用住宅設備において,複数人の被験者から生活データを収集する実験を行った.収集実験で収集した生活データを分析し,住宅における居住者の日常生活行動を推定するモデル,および,家電操作を識別するモデルを構築した.また,人の健康状態を把握可能にするために,ウェアラブルデバイスのセンサ値と健康関連QoL(HRQOL)アンケートを長期間収集する実験を行い,スマートフォンとウェアラブルデバイスから収集した客観的なセンサ値を用いて,主観的な評価によって得られるHRQOL評価指標を継続的に推定可能な簡易計測手法を開発した. 住宅における日常生活行動推定モデルについては,ユビキタスコンピューティングに関する国際会議(ICMU2017)で,健康状態を計測する手法については,モバイルヘルスケアに関する国際会議(MobiHealth2017)において発表した.また,家電操作の識別モデルについては,ビッグデータ処理に関する国際会議(BCD2017)で発表するとともに特許出願を行った.
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