現在の機械学習に基づく自然言語処理の一つの問題として、学習に用いた分野(ドメイン)と大きくかけ離れた文書の解析がうまく行えないという点が挙げられる。現在、構文解析を始めとした多くの解析手法は新聞記事をもとに学習を行っているため、他の種類の文書、例えば論文やWeb上に存在する文をうまく解析することができない。この点を解決するための新しい構文解析技術を目指し、まず、単純なモデルで、品詞などの前処理に依存しないながら、高精度を達成することのできる新しい組み合わせ範疇文法の解析法を提案した。また、構文解析のドメイン適応に適した新しいニューラルネットワークを提案し、有効性を示した。
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