研究課題
これまでに、申請者の研究室では、間葉系幹細胞(MSCs)とその細胞自身が産生する細胞外基質(ECM)から構成される間葉系幹細胞集塊Clumps of MSCs/ECM complex (C-MSC)を樹立していた。C-MSCは人工足場材料を用いること無く、欠損組織に移植可能で、効果的な骨再生能を発揮することが明らかになっていた。本研究では、このC-MSCの免疫調節能をin vitroにて向上させ、移植拒絶のない安全な他家MSC組織再生療法の開発を目指すこととした。その結果、IFN-gammaで前処理されたC-MSC(C-MSCgamma)の免疫調節性酵素IDOの活性が著しく上昇し、その結果、T細胞の免疫応答を抑制できることを見出した。さらに、ヒトC-MSCgammaをマウス頭蓋冠欠損モデルに異種移植したところ、移植拒絶や免疫応答を抑制しながら、効果的な骨再生を誘導した。これらの事実は、ヒトC-MSCgammaは高い免疫制御能を有しており、さらに人工足場材料を用いないため宿主の炎症応答も確実に生じないため、将来的には臨床の場において有効な他家MSC移植骨再生療法に応用できる可能性を示唆した。このin vitro,in vivoにおける一連の成果を、Stem Cell Research & Therapyに論文発表した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Stem Cell Research & Therapy
巻: 8:101 ページ: -
10.1186/s13287-017-0550-1