研究課題
消化器癌の中でも肝内多発例、遠隔転移例は予後不良であり化学療法を含めて効果的な治療に乏しい。内胚葉は進展・分化の過程で共通してEMTを獲得する事から、発生学の観点で得られた初期内胚葉分化における新しいmicroRNAの知見を癌研究に応用することは有用であると考えられ、今回miR-Xにより制御される内胚葉分化過程でのEMT獲得メカニズムが、潜在的に癌細胞に備わっており内胚様由来である原発性肝癌のEMT獲得の際に再現されるという仮説の下、新たなmicroRNAを介した新たな癌進展メカニズムの解明ならびに新規治療戦略を確立する目的で本研究を遂行した。miR-Xの候補としてmiR-1263につき胆管癌切除検体を用いてRT-PCR法にて遺伝子発現量を測定下が、正常部、癌部共に発現量は極めて少量であった。他の候補とてmiR-449aを測定したところ発現は確認できたが、臨床病理学的因子との相関は乏しく他の癌腫での検討に移行した。原発性肝癌と同じ内胚葉由来である胃癌、大腸癌においてはmiR-449a発現は癌悪性度の増悪と逆相関の関係にあり、またmiR-449a低発現群では術後生存期間が不良であった。またmiR-449aの標的遺伝子としてHDAC1が重要な役割を果たしている可能性を見出した。以上のことよりmiR-449aは内胚葉由来消化器癌の中でも特に大腸癌、胃癌に置いて抗腫瘍因子として機能する可能性が考えられた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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