消化器癌の悪性度増悪過程において初期内胚葉発生に関与するmicroRNAが果たす役割につき研究を行った。胆管癌切除例32例、及び大腸癌切除例72例の癌部miR-1263及びmiR-449aの発現を測定し臨床病理学的因子との関連を検討した。miR-1263発現は極めて少量であり比較検討は困難であった。大腸癌症例miR-449a発現は大腸癌において癌悪性度と逆相関の関係にあり、miR-449a低発現群では術後生存期間が不良であった。また標的遺伝子としてHDAC1が重要である可能性を見出した。miR-449aは内胚葉由来消化器癌の中でも大腸癌抗腫瘍因子として機能する可能性が考えられた。
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