多くの古代・中世史料を残し、広大な領域を持った伊賀国黒田荘故地(現三重県名張市一帯)の歴史過程に関する本研究の活動実績は、①フィールドに関わる新たな中世史料の発掘と調査、②荘内の重要な拠点となった「竜口」「上三谷」地区の現況(集落・耕地・用水路・ため池・寺社など)確認と記録、及び地籍図による明治期段階の確認、③「竜口」地区現地における区有文書(近世・近代史料)の発見、④中世段階での当該地域の歴史的位置に関する実証論文の発表、等を実現した。一方、当初課題としてあげていた現地景観の歴史過程の復元研究に関しては、新たな区有文書の発見などのため、調査結果をトータルに分析してまとめる段階に至らなかった。
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