前年度に実施したダカール市街地の類型化に基づき、事例地区を2地区とりあげて、空間マネジメント解明のための現地調査を実施した。 (1)第一段階として、住民、住民リーダー、住民グループ、行政、有識者等へのインタビューを実施し、各事例地区の形成経緯、ガバナンスの仕組み、住民構成、土地所有者の属性、住民グループの活動について整理し、社会的状況を把握した。また、マッピングと測量を実施して、開発形態の把握を行った。 (2)第二段階として、各事例地区の住民、住民リーダー、住民グループ等にインタビューを実施し、以下の項目について、誰が(主体)どのようなルールに基づいて(基盤となる制度あるいは規範)行っているのかを調査・分析した。①土地所有の管理:敷地分割、土地取引、土地利用規制、土地に関するトラブルの解決方法の実態。どのような土地所有の観念(共同体的所有あるいは私的所有)を有しているのか。②建築行為の管理:住宅の材料・プランや建設工事に対する許認可や規制、建築行為に関するトラブルの解決方法の実態。土地所有者の好き勝手に建物が建てられるのか、あるいは、公共性や近隣環境の観点から建築行為に対して何らかの規制が機能しているのか。③公共空間の管理:広場、道路、商店街、水場などの公共空間の整備、管理運営、利用の実態。法制度に基づく行政の介入がなくても公共空間が形成され、人々が交流し、情報・意見交換を行い、社会的一体性を形成する機会が確保されうるのか。 (3)最後に、ダカールのインフォーマル市街地における空間マネジメントの特質を分析・考察した。
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