結膜上皮は、眼表面のバリア形成、また涙液の安定化において重要な役割を担うと考えられる。しかし、適切な結膜上皮培養細胞が存在しないために、詳細な検討が困難な現状がある。本研究では、ドキシサイクリンの有無でSV40大型T抗原(SV40LT)遺伝子の発現が制御できる誘導性SV40LT導入不死化ヒト結膜上皮細胞を作製し、さらに、上皮細胞と実質細胞を3次元で共培養する3次元培養システムを応用することにより、結膜上皮特有の分化マーカーを保持した重層結膜上皮細胞が確認できた。今後培養条件の精度を上げることで、長期間増殖可能でかつ結膜上皮の特徴・分化能を保持した培養結膜モデルの構築が可能になると考えられる。
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