小児糖尿病患者の災害対応マニュアルの開発について、本研究では、小児糖尿病の患者自身が災害に対する知識を増やし、子供の自身が自らの命を守るために、安全確保できるための災害対応マニュアルを開発し、その有用性を評価することを目的とする。開発する小児糖尿病災害対応マニュアルの内容は、全国の小児糖尿病患者の診療や療養指導を行なっている有識者を対象にデルファイ法を用いた調査を行い、小児糖尿病患者の災害対応マニュアルに必要な項目を抽出する。デルファイ法による調査で使用する質問紙は、糖尿病に関する既存のマニュアルや先行研究を参考に作成した。また、糖尿病や災害時糖尿病や災害時の対応に関する、具体的な知識だけでなく、自宅や学校生活、学習塾、習い事などの課外活動時に災害に遭遇した場合を想定した備えや、実際に様々な場所・状況で被災した時の対処についても、学校保健の分野の先行研究などを参考に質問紙の内容に記載した。質問紙の各項目の重要度の評価は「非常に重要:5」「やや重要:4」「どちらでもない:3」「あまり重要でない:2」「全く重要でない:1」の5件法とする。抽出する項目は、①災害に備える時期、②災害発生から72時間までの超急性期とした。 デルファイ法による調査で使用する質問紙の内容を精査し、調査対象者の負担軽減を考慮しつつ、調査の実施の実施依頼時期の検討を行い、調査・集計結果から実際の小児糖尿病患者用災害対応マニュアルを作成する。
|