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2016 年度 実績報告書

マイクロマンガンノジュールの成因による分別: 古海洋環境復元を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 16H07029
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

眞中 卓也  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 任期付研究員 (00784703)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワードマンガン団塊 / マイクロマンガンノジュール / 地質学 / 海底資源 / 深海環境 / 環境変動 / 地球化学 / 海洋科学
研究実績の概要

マンガン団塊は水深1000 m以深の海底に普遍的に存在する化学堆積岩である。成長速度が100万年に数mmと非常に遅いことから、非常に長い期間の海洋の環境変動を記録しており、古環境指標として注目されている。ただし通常の大きな団塊(径: >1 cm)は、密度的に不安定なはずの遠洋性堆積物の上に産出することが多く、その形成メカニズムは不明瞭である。本研究では堆積物の内部に埋没している微小な団塊(マイクロマンガンノジュール、径: <1 mm)に注目した。その形成メカニズムの解明と大きな団塊との比較、ひいては当時の海洋環境の復元を目的とした。
本研究にあたっては、北太平洋の海底堆積物試料を利用した。本年度は、まずこの堆積物試料全体に対して、X線回折装置を利用した鉱物組成分析や、レーザー粒度分布測定器を利用した粒度分析など、基礎的な分析を実施した。そして重液分離や水簸処理などを使って、この試料からマイクロマンガンノジュールを一個ずつ回収する手法を確立した。回収したマイクロマンガンノジュールに対して、電子顕微鏡にて観察を行ったところ、マイクロマンガンノジュールの表面に数μmほどの小さな粒子状構造が存在していることが明らかになった。また、マイクロマンガンノジュールを樹脂に埋め込み、研磨薄片を作成することで、その内部の構造を確認した。その結果、やや不明瞭ではあるものの、内部に核のような構造を確認することができた。
以上の成果については、国内の研究集会において、学会発表を行った。また関連研究として、北太平洋におけるマンガン鉱床の調査航海に参加した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画では、上記の研磨薄片作成に加えて、マイクロフォーカスX線CTスキャナによる内部構造および密度変化の観測を行う予定であった。ただし機器の不具合により、解像度の良い像を得られなかったため、半年間研究期間を延長し、平成29年度の実施事項とした。

今後の研究の推進方策

マイクロフォーカスX線CTスキャナによる分析を迅速に実施し、先の研磨薄片による観察結果と対比を行う。また元素分析を行うことで、マイクロマンガンノジュールが形成した海洋環境を特定する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マイクロマンガンノジュールから古海洋環境を読み解く2016

    • 著者名/発表者名
      眞中卓也, 臼井朗
    • 学会等名
      第16回日本地質学会四国支部講演会

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公開日: 2018-12-17  

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