本研究では、病巣の診断かつ治療を同時に行う「セラノスティクス材料」への応用を志向した新しいミセルの開発に取り組んだ。具体的には、親水部に多数の化学反応点を有する界面活性剤を合成し、それを用いてミセルを作成することで、架橋剤等を使って「(がん細胞などへの)標的性」、「刺激応答型内包物徐放性および蛍光 OFF-ONスイッチング」といった機能を付与することを目指した。 成果としては、親水部にポリ(2-エチル―2-オキサゾリン)、化学反応点としてヒドラジド基、疎水部として四角酸誘導体を有する界面活性剤を用いることで、ミセルの形成と、架橋剤による蛍光 OFF-ON 機能を付与させることに成功した。
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