研究課題/領域番号 |
16H07038
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安永 和央 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (80777665)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 大学入試 / 個別選抜試験 / 国語読解テスト / 記述式問題 / 出題方法 / 構造的性質 |
研究実績の概要 |
本年度は,国立大学における個別選抜試験の国語を対象に,記述式問題の出題方法に関する分類基準の検討を行った。 分類基準に関しては,公立高校入試問題の記述式問題を分類した安永・齋藤・坂本・石井(2015)を参考に,分類の側面を「設問の種類」,「設問内容」,「回答方法」の3つに分け,それぞれの分類内容について,国立大学における平成27年度(以下,H27と表記)と平成28年度(以下,H28と表記)の個別選抜試験問題を踏まえて検討した。基準を作成する際に対象とした大学は,東京大学(H27),名古屋大学(H27,H28),東北大学(H27),九州大学(H27),筑波大学(H27),神戸大学(H27)であった。検討した結果,まず「設問の種類」は,①「通常問題」:設問の内容が文章で記述されており,その問いに回答する設問と,②「条件付き問題」:「通常問題」に特定の条件が付いた(例えば,AとBを対比させながら説明しなさい)の2つに分けられた。次に「設問内容」は,①「理由を問う設問」:なぜそのように言えるのか,それはなぜか,というような傍線部分に関する理由を問う設問,②「言い換えを求める設問」:~とはどういうことか,どのような~,といった傍線部分に関する言い換えを求める設問,③「状況説明を求める設問」:傍線部分に関係する状況の説明を求める設問の3つに分けられた。最後に「回答方法」は,①○字以内で説明しなさい,②○字以上○字以内で説明しなさい,③○字で抜き出しなさい,④説明しなさい(字数制限なし)の4つに分けられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は,分類基準を作成し,その観点に基づいて複数の個別選抜試験問題を分類することを計画していたが,分類基準の作成で終止してしまったため,やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,作成した分類基準を用いて,複数の国立大学における個別選抜試験問題の分類を引き続き行う。また,それらの分類を参考に出題方法の異なる2種類の記述式テストを作成し,出題方法の違いが受験者の回答に及ぼす影響について実証的に検討する予定である。
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