研究課題/領域番号 |
16H07039
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
兼安 章子 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (00783101)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | ネットワーク / 教師 / 家庭科教師 / 授業改善 / 教材 / ネットワーク分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、家庭科教師同士のネットワークと授業改善の関係性について明らかにすることを目的としている。初年度は、インタビュー調査及び質問紙調査から、分析を行った。 まず、中学校家庭科教師のネットワークと授業改善についてのインタビュー調査を行った。インタビュー調査から、個々の保有するネットワーク形成のプロセスを明らかにした。授業改善については、用いる教材の変容に着目し、調査・分析を行うことで、家庭科教師同士の教材の借用や共有に関するネットワークの存在を導き出した。 次に、家庭科教師と比較とするために、中学校理科教師を対象とした同様のインタビュー調査を行い、形成するネットワークの教科による違いについて検討した。 これらの分析にあたって、教師教育分野における調査手法としてのネットワーク分析の検討を行い、インタビューデータの分析では、主としてエゴセントリック・ネットワークの手法を用いることとした。 また、教科による特徴、近隣学校に勤務する教師同士のネットワーク構成の現状と地域性について検討するために、中学校家庭科教師及び理科教師への質問紙調査を行った。これらの結果については、現在分析を進めており、今後、インタビュー調査と合わせて結果を公表する予定である。 教師の保有するネットワークと教材変容の関係についてさらに分析を進め、人的なネットワークが授業改善の促進や停滞に影響を及ぼす条件について解明していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた中学校家庭科教師へのインタビュー調査、比較対象として、中学校理科教師にもインタビュー調査を行い、形成するネットワークについて分析を行った。それらの結果から、約2700名の教師を対象にした質問紙調査を行い、教師個人が持つネットワークと地域教師のつながりについてのデータを得ることができた。データを基にした、教師のエゴセントリック・ネットワークの可視化が可能である。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に行った調査の分析を進める。特に、インタビュー調査及び質問紙調査から、理科教師を比較対象とし、家庭科教師の形成するネットワークの特徴を明らかにする。 特に、エゴセントリック・ネットワークの手法で、個々の教師の持つネットワークと授業改善の可視化をさらに進めると同時に、ソシオセントリック・ネットワークの手法からも分析を行い、教師が近隣の学校などの地域でのネットワークの現状についても可視化し、ネットワークの特性に迫る予定である。 さらに、他教科教師との共通点から、本研究の発展可能性についても検討する。
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