研究課題
平成29年度は大偏差原理に基づいた非平衡定常状態の解析を進めるべく、粒子の出生と死滅を伴う排他過程の定常状態に対して研究を行った。前年度までの研究として、この定常状態が大偏差原理をみたすことについては証明を行い、論文としてまとめていたが、本年度はその大偏差原理のレート関数についてさらに深く解析を試みた。しかしながら幾つかの技術的な難しさがあり、解析は上手く進んでいない。実際、粒子の出生と死滅を伴う排他過程に対してはこのレート関数が解析に十分なよい表示を持たないため、解析の手がかりすらつかめていない状況にある。そのため、本質を失わない程度に模型を変更し、幾らか単純化した模型について解析を進めることも視野にいれている。また前年度までに本研究で開発された手法を他の模型について応用・発展することについても試みた。結果として、境界で移流・流入を伴う排他過程に対して、定常状態が収束するという大数の法則についての結果を得ることができた。ただしこの結果については、基本的なアイデアはすでに確立しているものの、より一般的な模型についても成立すると予想しているため、論文にまとめることは先延ばしにしている。よりこの結果を一般化させること、及び論文としてまとめることは、今後の研究の展開としたい。また大数の法則に対応する大偏差原理の問題について研究を行うことも今後の研究の展開としたい。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Annales de l'Institut Henri Poincare, Probabilites et Statistiques
巻: 54 ページ: 51-74
10.1214/16-AIHP794
http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/~tsunoda/