本研究課題では、植物の二酸化炭素応答と窒素応答のクロストーク機構の解明を目指し、野生シロイヌナズナの中から特徴的な二酸化炭素・窒素応答を示す系統を同定し、両応答に関する詳細解析を行った。これまでに野生シロイヌナズナ240系統について低窒素に対する成長応答解析を完了し、その中から見いだした低窒素条件において高成長を示す系統について窒素応答・二酸化炭素応答について解析を行った結果、この系統は低窒素条件で高い窒素同化や光合成能力を維持していることを明らかにした。さらにこの系統で見られた低窒素条件での高成長は植物体地上部を遮光すると起こらなくなることから、光がこの高成長の鍵を握っていると推測される。
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