野生イネ由来の葉毛性を示す近似同質系統を用いて、イネ葉毛の生理生態的特性を検討した。葉毛は小維管束上の表皮細胞であるmacro hairが伸長したことにより生じていると推察された。また、葉毛によって蒸散速度が抑えられ、光合成水利用効率と葉温が高まることが明らかとなった。連鎖解析により、イネ葉毛性に関わる単一の優性遺伝子を染色体6上にマッピングした。一方、イネの葉毛発生は高温によって抑制されることが明らかとなり、また高温条件で発現量が低下する遺伝子が見出されたことから、これが葉毛形成を制御する原因遺伝子であると考えられた。
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