大腿骨頭壊死症は早期から滑膜炎を呈することに着目し、造影MRIで評価した滑膜炎の程度と術中に採取したサイトカイン濃度の相関を検討した結果、血管系のサイトカインではIL-8が、骨代謝マーカーではTRACP5bが、滑膜炎の程度と有意な正の相関を認め、早期の病態にはIL-8が、病期進行にはTRACP5bが関与していることが示唆された。骨壊死類似疾患に関しては、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の中でも高度圧潰症例のIL-8、TRACP-5b、VEGF、MMP-9が、軽度圧潰症例と比して有意に高値であることが分かり、股関節液を調査することが大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の病態解明につながる可能性が示唆された。
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