研究実績の概要 |
1.TFEB過剰発現細胞による軟骨細胞への分化への影響 ラット鼻中隔軟骨から分離した初代軟骨細胞を用いた。本細胞にアデノウイルスベクターを用いてTFEBを発現させる実験系を確立した。成熟軟骨細胞は、コラーゲンType II、IX、XIやプロテオグリカンなどの細胞外マトリクスを産生する。軟骨細胞の細胞外マトリクスを染色するAlcian Blueによって分化の程度を比較した。またリアルタイムPCR法によって軟骨細胞分化マーカーであるALP 、Col2α、Col10α1、VEGF、MMPsを用いて過剰発現細胞はマーカー遺伝子のレベルが増大していることを確認できた。TFEBを過剰発現させた軟骨細胞は分化が進んでいることが分かった。今後はその詳細なメカニズムについて解析する予定である。
2. TFEBに関するマクロファージから破骨細胞(免疫系細胞)への分化機構 TFEBを過剰発現させたマクロファージ系細胞RAW-D細胞にRANKLとMCSFを加えて3~4日間培養し破骨細胞へ分化させた。破骨細胞の分化・成熟は酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)による観察と定量によって行った。また破骨細胞のマーカー遺伝子であるRANK、c-fms,integrinβ3、 CTR、DC-STAMP、OC-STAMP、Src、カテプシンKなどの各種マーカー遺伝子の発現レベルについて、リアルタイムPCRを用いて定量した。
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