研究課題
腫瘍細胞と成人の精巣のみ発現するとされる、腫瘍関連抗原(DEPDC1、MPHOSPH1)由来の新規長鎖ペプチドの同定を行った。コンピューターアルゴリズムでHLAクラスIIに高親和性を示す長鎖ペプチドのアミノ酸配列を複数推定し、in vitroで健常人由来の末梢血単核細胞 (PBMC)をそのペプチドで刺激し、ペプチド特異的なヘルパーT細胞の誘導を行った。また、その長鎖ペプチド内に細胞傷害性T細胞(CTL)エピトープ配列を自然配列として内包させ、CTLとヘルパーT細胞の両者を誘導し得る可能性を持つ長鎖ペプチドも合成し、その免疫原性とクロスプレゼンテーション能を健常人のPBMC、もしくはHLA-A2トランスジェニックマウスを用いて確認した。次に、癌患者のPBMC を用いて、同定した長鎖ペプチド特異的なヘルパーT細胞の反応が癌患者の体内に実際あるか否か検討し、癌患者内に同定した長鎖ペプチド特異的なヘルパーT細胞の存在を確認した。次に、DEPDC1、MPHOSPH1由来の長鎖ペプチドに特異的なヘルパーT細胞クローンのT細胞受容体 (TCR) の遺伝子解析を行い、ペプチド特異的に反応するTCRのα鎖とβ鎖を同定した。これらの研究成果より、同定された長鎖ペプチドはがんペプチドワクチン療法に有用である可能性が示された。これらの研究成果を2017年10月に行われた日本組織適合性学会大会で共同演者として発表し、学術奨励賞が授与された。また、これらの研究成果をOncoimmunology (Impact Factor; 7.719)に投稿し、アクセプトされた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Oncoimmunology
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