本研究は、嗅覚情報と視覚情報という複数の知覚情報による「マルチモーダル干渉」に着目した、「マルチモーダル評価モデル」の提案と妥当性検証を目的とした。課題1では、視覚情報と嗅覚情報刺激の定量化、および、主観的好みや経験の有無による付加的干渉要因の影響について検討した。課題2では、課題1で定量化した視・嗅覚情報刺激を用いて、知覚情報間の干渉による相互影響および範囲を明らかにした。結果では、「マルチモーダル評価モデル」に基づく、視・嗅覚といった複数の知覚情報の評価にて、好みや経験による影響は認められず、嗅覚情報の干渉が視覚情報より優先的に影響していることを明らかにした。
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