動脈管が解剖学的に閉鎖するには、血管収縮による機能的閉鎖だけでなく、胎児期から始まる血管リモデリング(内膜肥厚形成)が必要である。内膜肥厚形成の初期段階として内弾性板の断裂が知られているが、その機序はこれまで不明であった。本研究により、動脈管の内皮細胞で高発現する組織型プラスミノーゲン活性化因子が、マトリックスメタロプロテアーゼの活性化を介して、内弾性板を断裂させ、内膜肥厚形成を促進することが示唆された。早産児では血中プラスミノーゲン濃度が生理的に低いため、プラスミノーゲンを補充することで、動脈管の内膜肥厚形成を促進し、動脈管閉鎖を促すことが出来る可能性があることが示唆された。
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