放射線治療は口腔癌の標準治療の一つであるが,局所再発により予後が低下する.そのため,放射線治療後に腫瘍が再発する機序を理解することが重要である.本研究では,マウスモデルとOSCC患者の組織標本を用いて,放射線照射により生じる腫瘍微小環境変化を検討した.放射線照射により腫瘍内は低酸素になり,CD11b陽性骨髄由来細胞の流入を認め,それらがCD11b+/F4/80+ マクロファージやCD11b+/Gr-1+ 骨髄由来抑制細胞へ分化していた.PD-1/PD-L1に関しては再発腫瘍で陽性細胞の増加を認めた検体もあったが,一定の傾向は認めなかった。小さな細胞集団であるため更なる解析が必要と考えられた。
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