研究課題
骨髄由来抑制細胞(Myeloid-derived suppressor cells 、MDSCs)とCD8+Tcellsの臓器移植における関係性について検討した。脾細胞をG-CSF/M-CSF(100ng/ml) Dexamethasone, Rapamycin存在下で培養しMDSCsを誘導した。これらのMDSCs はin vitroでアロ抗原提示細胞存在下でCFSE染色を実施したCD4 T細胞の分裂を有意に抑制した。免疫抑制効果を増強させたMDSCsによりin vitroでの脾細胞との共培養系で対照群と比較し脾細胞中のCD8+/IL-10+ T細胞の誘導を認めた。(3.3±2.1% vs 10.2±3.6%, p<0.05)誘導されたMDSCsは細胞膜上の programmed death ligand-1 (PD-L1)の発現増加を認め、CD8+/IL-10+ T細胞(制御性T細胞、Tregs)側の programmed death 1 (PD-1)の増加を同時に認めた。マウス心臓移植モデルにおいて、MDSCs輸注群で生存期間の延長とともに、病理学的解析ではアログラフトの微小血管炎症、炎症細胞の浸潤の低下、またアログラフト内のCD8+/PD-1+細胞の増加を認めた。上記の研究解析からPD-L1+ MDSCsは CD8+/IL-10+ Tregs誘導作用を持つものと考えらた。これらの免疫抑制系細胞の影響が免疫寛容誘導に重要な役割を果たす可能性があると考えられた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Transplant Proceedings
巻: 50 ページ: 299-304
10.1016/j.transproceed.2017.11.014