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2016 年度 実績報告書

マーク・トウェインの文学における言葉遊びと暗号

研究課題

研究課題/領域番号 16H07128
研究機関神戸市外国語大学

研究代表者

衣川 将介  神戸市外国語大学, 外国語学部, 講師 (10779424)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワードトウェイン / クレメンス / 暗号 / 言葉遊び / 探偵小説
研究実績の概要

本研究の目的は、米国人作家マーク・トウェインの文学における言葉遊びを使用したテキストの暗号化という表現手法の解明である。より具体的には、トウェインが言葉遊びと暗号という緻密な形式上の工夫が求められる表現手法を多用していることを示すことで、彼のフォルマリストとしての新たな側面を提示することが目的ある。この目的のために平成28年度に行った研究とその実績の概要は以下の通りである:
1)Northeastern Modern Language Association (NEMLA)におけるトウェインの探偵小説に関する研究発表:平成28年3月24日にボルチモア市(アメリカ合衆国)にてRealism in American Detective Fictionと題したパネルを共同チェアとして実施。その一環として “Realism and Detection in William Faulkner and Mark Twain's Detective Stories”と題した発表を行った。発表内容の一部として、Twainの探偵小説における言葉遊びの使用例を扱った。
2)トウェイン、言葉遊び、暗号に関する一次・二次資料の収集と整理:トウェインのフィクション、ノンフィクション、書簡集、雑誌・新聞記事、ノート、小説 The Adventures of Tom Sawyer のファクシミリ等といった一次資料及び本研究に必要なトウェイン研究書の一部を収集し、内容の精査を開始した。また、言葉遊びや暗号に関する研究書や文学作品の一部も収集し、内容の精査を開始した。
3)収集した資料に基づくトウェイン文学の読解の開始:収集したトウェイン関連の資料及び言葉遊びと暗号の研究を使ってトウェインのフィクションを解読するための批評的な枠組みの構築を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度に予定していた研究計画をおおむね順調に遂行できている。
計画では、トウェイン50年代後期から70年代初期までの雑誌・新聞記事を集中的に調査する予定であった。この予定については、50年代後期から70年代初期の記事を収集し、読解を開始するという形で遂行できている。
同時に、The Adventures of Tom Sawyerの原稿の精査も計画に含まれていた。こちらも、資料はファクシミリ版The Adventures of Tom Sawyer: A Facsimile of the Author’s Holograph Manuscript (1982)を入手し、分析を進めている。
予定された研究発表については、平成28年3月24日にNEMLA(MLAの支部)において実施した。また、この研究発表に基づいた論文を現在執筆中である。完成次第、国外あるいは国外の学術誌に投稿する予定である。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策は下記の通りである:
1)小説Pudd’nhead Wilsonの原稿を参照するために、ニューヨーク州ニューヨーク市所在のThe New York Public LibraryとThe Morgan Libraryを訪問する。
2)Pudd’nhead Wilson 執筆時(1892-1893)に使用されていたトウェインのノートを参照するために、テキサス大学オースティン校 Harry Ransom Centerを訪問する。また、同センター所蔵の小説A Murder, A Mystery A Marriageの原稿も参照する。
3)Tom Sawyer, Detectiveの原稿とトウェインの蔵書を参照するためにカルフォルニア大学バークレー校Bancroft Library所在のThe Mark Twain Projectを訪問する。蔵書については、Alan Gribbenによるトウェインの蔵書目録 Mark Twain’s Library Vol.1-2 (1980)を元に参照希望の図書を事前に選定し、現地で閲覧する。
4)統合と批評的枠組みの構築:1・2年目の調査結果を整理し、トウェインのフィクション作品における言葉遊びの暗号的使用の理解に有用な部分を批評的枠組みとして統合した上で、フィクション作品の中でも特に彼の小説の読解を集中的に行なう。
5)発表・論文投稿:上記の研究結果を、ALA、NEMLA、MLAを始めとする米国の学会で発表する。さらに、そうした発表を論文に発展させ、Nineteenth-Century Literature、American Literary Realism、「アメリカ文学研究」などの国内外の学会誌へ投稿する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Realism and Detection in William Faulkner and Mark Twain's Detective Stories2017

    • 著者名/発表者名
      Shosuke Kinugawa
    • 学会等名
      NEMLA (Northeastern Modern Language Association)
    • 発表場所
      ボルチモア市(アメリカ合衆国)
    • 年月日
      2017-03-24
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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